This article is in 日本語. The English version is coming soon.
Smartphones4.0

Pixel 9 Pro レビュー:AI特化チップと5x望遠の実力を検証

Published: Author: 編集部
Smartphones

Pixel 9 Pro レビュー:AI特化チップと5x望遠の実力を検証

Google Pixel 9 Proを2週間使い込んだ本音レビュー。Tensor G4チップのAI処理性能、5x光学ズーム搭載トリプルカメラの実力、バッテリー持ちまで徹底検証します。

4.0/ 5.0

Overall Score

高評価。購入の価値あり

+Pros

  • 5x光学ズーム搭載トリプルカメラの撮影品質が高い
  • Gemini統合のAI機能が日常で実用的
  • 6.3インチにPro仕様を凝縮したコンパクト設計
  • 16GB RAMでマルチタスクに余裕がある

-Cons

  • Tensor G4のCPU/GPU性能は競合チップに明確に劣る
  • 27W有線充電は同価格帯では遅い部類
  • 159,900円〜と高価格ながらゲーム性能では差が出る

Specifications

ディスプレイ6.3インチ LTPO OLED Super Actua (2856x1280, 120Hz)
チップGoogle Tensor G4
メモリ16GB
ストレージ128GB / 256GB / 512GB
メインカメラ50MP広角(F/1.68) + 48MP超広角(F/1.7) + 48MP望遠(F/2.8, 5x光学)
フロントカメラ42MP
バッテリー4,700mAh
充電27W有線 / 21Wワイヤレス(Pixel Stand)
重量199g
サイズ72 x 152.8 x 8.5mm
防水IP68
Price159,900円〜
ManufacturerGoogle

Pixel 9 Proを発売直後に購入し、2週間メイン機として使い込みました。

Googleが掲げる「AIファースト」のスマートフォンは、実際にどこまで日常を変えてくれるのか。Tensor G4チップの実力、5x光学ズーム搭載トリプルカメラの撮影品質、そしてバッテリー持ちまで率直にレビューします。結論から言えば、カメラとAI体験は同価格帯トップクラス。一方で処理性能は競合に見劣りする場面もあり、万能機とは言い切れません。

Tensor G4とGemini——AI特化チップの実力

Pixel 9 Proの心臓部であるTensor G4は、Googleが自社設計したAI処理特化チップです。Cortex-X4を中心とした8コアプロセッサで、前世代のTensor G3からGeekbench 6基準でシングルコア性能が約10〜12%向上しています。

ただし、CPU/GPUの絶対性能は率直に言って競合に劣ります。Geekbench 6のマルチコアスコアでは、Snapdragon 8 Gen 3に対して50%以上の差がついており、Apple A18 Proとの差はさらに大きくなります。GPU性能もSnapdragonのAdreno GPUと比べて40〜50%程度低いスコアが報告されています。原神のような描画負荷の高いゲームを最高画質設定で遊ぶと、フレームレートの低下を感じる場面がありました。

しかしTensor G4の真価はAI処理の速度と精度にあります。Geminiが端末に統合されたことで、写真の被写体認識、音声のリアルタイム文字起こし、テキスト要約といったAI機能が驚くほどスムーズに動作します。特にAI消しゴム(Magic Eraser)の精度は前世代から明らかに向上していて、通行人の除去が自然に仕上がるようになりました。ベストテイク(複数枚から最良の表情を合成する機能)やAdd Me(集合写真に後から人を追加する機能)も、処理速度・仕上がりともに実用レベルです。

「ベンチマークの数字ではなく、AI体験の質で勝負する」——Tensor G4はまさにその設計思想を体現したチップだと感じています。

トリプルカメラの実力——5x光学ズームが変える撮影体験

Pixel 9 Proのカメラ構成は、50MP広角(F/1.68、25mm相当)、48MP超広角(F/1.7、12mm相当)、48MP望遠(F/2.8、5x光学ズーム)のトリプル構成。フロントカメラも42MPの広角仕様で、グループ自撮りでも端が切れにくい画角です。

中でも最大の武器は5x光学ズームです。街歩きスナップで遠くの看板を撮る、カフェの窓越しに見える建物をクローズアップする——こういった場面で光学ズームの解像感はデジタルズームとは別次元。最大30xの超解像ズームも、SNSに投稿する程度であれば十分使える画質を維持しています。イベント会場でステージ上の演者を撮りたい場面など、物理的に近づけない状況での恩恵は大きいです。

広角カメラの画質も優秀です。Pixel伝統の計算写真処理(コンピュテーショナルフォトグラフィ)が健在で、HDR処理の自然さは見事なんですよね。夜景モードも強力で、たとえば夜のカフェのテラス席から街灯に照らされた通りを撮ると、肉眼よりも明るく、それでいて白飛びを抑えた階調豊かな写真に仕上がります。iPhone 16 Proと撮り比べてみると、Pixelの方がやや暖色寄りで「記憶色」に近い仕上がりになる傾向があります。どちらが好みかは分かれるところですが、食事や風景の撮影ではPixelの色味を好む方が多い印象です。

超広角カメラにはマクロフォーカス機能も搭載。花びらの質感や料理の湯気まで接写で捉えられるのは、48MPの解像度ならでは。食レポやブツ撮りで重宝する場面が多いです。Pro設定ではRAW+JPEG同時記録が可能で、Lightroomなどでの後編集にも対応しています。

6.3インチのコンパクトPro——持ち心地と日常使い

Pixel 9 Proの大きな魅力の1つが、6.3インチにPro仕様を詰め込んだコンパクトサイズです。幅72mm、重量199gは、同じPro仕様のPixel 9 Pro XL(6.8インチ、221g)と比べて明らかに取り回しが良い。電車の吊革を掴みながらの片手操作も現実的なサイズ感です。ジーンズの前ポケットにも無理なく収まります。

ただし、ケースなしだと背面がやや滑りやすい点は気になりました。フレームが平面的な分、しっかりグリップするにはケースの装着をおすすめします。ケースを付けると幅・厚みが増して「コンパクトPro」の良さが薄れるのがジレンマですが、落下防止のためには妥協すべきでしょう。

Super Actuaディスプレイ(LTPO OLED、最大120Hz)の視認性は文句なし。特に屋外での明るさが印象的で、直射日光下でも画面をしっかり確認できます。有機ELならではの深い黒と鮮やかな発色は、写真や動画の閲覧で満足度が高いです。

デザインはPixel 8 Proから大きく刷新されました。角が直線的になったフラットデザインで、マットな背面パネルは指紋が付きにくい仕上げ。カメラバー周辺のアルミフレームの質感も高く、159,900円の価格に見合う所有感があります。カラーはObsidian、Porcelain、Rose Quartz、Hazelの4色展開です。

バッテリーと充電——4,700mAhで1日持つか

4,700mAhのバッテリー容量は、6.3インチクラスとしては十分な容量です。筆者の使い方(SNS閲覧多め、カメラ1日10〜15枚、動画視聴30分程度)で、朝100%スタートから就寝時に25〜35%残る計算。120Hz・最大解像度の設定でも、途中充電なしで1日は問題なく持ちます。前世代のPixel 8 Proから改善されているのを実感しました。

一方、充電速度は27W有線充電で、20%から100%まで約80分(電源オフ・室温25℃前後での実測)。正直に言うと、同価格帯のフラッグシップとしてはやや遅い部類です。たとえばGalaxy S24 Ultraは45W充電に対応しており、iPhone 16 Proも最大約30Wでの充電が可能。27Wという数字は見劣りするポイントなんですよね。ワイヤレス充電にも対応(Pixel Stand使用時は最大21W)していますが、こちらはさらに時間がかかります。

充電速度を重視する方には物足りないかもしれませんが、就寝前に充電する習慣があれば実用上の問題はないでしょう。USB-Cケーブルの選び方ガイドも参考に、充電環境を整えておくと安心です。

159,900円の価値——買い替え判断のポイント

Pixel 9 Proの128GBモデルは159,900円、256GBは174,900円、512GBは194,900円。128GBの価格はiPhone 16 Pro(159,800円〜)とほぼ同じ水準です。

Pixel 8 Proからの買い替え: Pixel 8 Proも5x光学ズームを搭載していましたが、Pixel 9 Proではセンサーと画像処理の改善により望遠の画質が向上しています。加えてTensor G4のAI処理強化、フラットデザインへの刷新と、進化ポイントは確かにあります。ただし処理性能の伸びは控えめで、発売から約1年の買い替えとしては「着実な改善」という印象。急ぎでなければ次世代を待つ選択肢もあるでしょう。

Pixel 7以前からの買い替え: カメラ性能・AI機能・ディスプレイ品質すべてで大きな進化を体感できるはず。5x望遠とGemini統合は、2世代以上前のPixelユーザーにとって明確なアップグレード理由になります。

iPhone 16 Proとの比較: 「AIと計算写真のGoogle」か「ハードウェア完成度とエコシステムのApple」かという軸で判断すると整理しやすいです。AI機能の充実度ではPixelが一歩リード、処理性能とビルドクオリティではiPhoneに分があります。すでにAppleやGalaxyの製品・サービスを多く使っている場合、エコシステムの移行コスト(写真、連絡先、アプリの買い直し等)も判断材料に入れることをおすすめします。

なお、キャリアの購入プログラム(ドコモ・au・ソフトバンク)を利用すれば実質負担額を抑えることも可能です。2年返却前提のプログラムなら半額近くになるケースもあるため、一括購入が厳しい場合は検討の価値があります。

まとめ——Pixel 9 Proはこんな人におすすめ

Pixel 9 Proは「AIとカメラに全力を注いだコンパクトPro機」です。Tensor G4のCPU/GPU性能は競合に劣る場面がありますが、AIを活用した写真編集・音声処理・日常のアシスタント機能では他にない体験を提供してくれます。5x光学ズーム搭載のトリプルカメラは撮影の幅を大きく広げてくれますし、6.3インチのコンパクト筐体はPro機としては貴重な存在です。

こういう人におすすめ:

  • カメラを日常的に使い、特に望遠撮影の機会が多い方
  • GoogleのAI機能(Gemini、AI消しゴム、リアルタイム翻訳)に魅力を感じる方
  • コンパクトなサイズ感でPro仕様が欲しい方
  • Pixel 7以前からの買い替えを検討中の方

こういう人には不向き:

  • ゲーム性能を最優先する方(Tensor G4はヘビーゲームで力不足)
  • 充電速度を重視する方(27Wは同価格帯で遅め)
  • Apple/Galaxyのエコシステムに深く依存している方